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スーパーエッシャー展

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版

に行ってきた。

エッシャーの父は5年ほど日本にいたことがあるようで、そのためかエッシャーの作品にはどこか日本的な要素が感じられる。パターンの繰り返しや画面の分割といった手法から、まず思いつくのは俵屋宗達であろう。

今回『夜のローマ』という作品群のなかに、それは表題どおり夜のローマの風景を描いた連作群なのだけれども、真っ黒い樹木が後方からの光で浮かび上がっているという作品があった。これは版画であるから、エッシャーが彫ったのは樹木本体ではなく、背後からの光である。この作品のことは今回展覧会で目にするまで知らなかったが、かなり迫力のある作品だった。俵屋宗達の作品に『雲竜図』というものがある。黒雲のなかを飛ぶ竜を描いた水墨画である。水墨画で白い竜を描くにはどうすればよいか?宗達もまた、雲を描くことで竜を浮かび上がらせようとしたのであった。

僕がエッシャーに魅かれるのは、到達不可能なものに漸近しようとする姿勢である。それは無限であったり、ペンローズの三角であったりする。エッシャーは混沌とした世界の中に秩序を見出さんとして数々の作品を作り上げたが、それらの作品は秩序に到達することの不可能性をもまた示さんとしているように思えてならない。

数々の半現実的、半神話的世界、不思議の環にみちみちた世界、見る者を誘い入れようとしているその世界、それを思いついただけでなく実際に描いたところが、エッシャーの天才である。
――『ゲーデル,エッシャー,バッハ あるいは不思議の環』

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